地域との関係
  豚でも人でも、遠くで作られたものを食べるには、その過程で多くのエネルギーを使います。食は風土と結びついてこそ、豊かな文化に育ちます。餌は地域で出るものを使い、出来た豚肉は地域の人が食べ、堆肥は畑で土に還る。豚も人も風土の中で生きていくことを大事にします。
豚との関係

  近年、家畜は増えているのに、畜産農家の戸数は激減しています。一つの農場に何千、何万頭という大量生産型の畜産だけが勝ち残っているのです。狭い所でたくさん飼えば、糞尿はゴミとなり野山を埋めます。病気も出ますし、豚はストレスのためお互いを傷つけます。
  こぶた畑は母豚で5〜10頭(仔豚も含めて50〜100頭)という規模を目標としています。私たち二人で目の届く、手の掛けられる範囲と思います。最も理想的な形は、農家が自分の農場で出る青草や残飯で飼える分だけ飼う事と考えます。
豚舎 
  南足柄は水のきれいな所です。これを汚さないことがこぶた畑の基本です。そのため、豚舎の床には工夫があります。床には、地面から1メートルくらいチップが積み上げられ、その上に豚が居ます。植木屋さんにもらう剪定チップは腐葉土のような状態になります。そこに落ちる糞尿は自然界の微生物の働きによって分解され、悪臭もほとんどありません。
  パンの耳、鰹節、昆布やひじきのくず、お蕎麦屋さんの打ち粉・・・現在使っている材料です。鰹節以外は全て地域のお店屋さんの理解と協力の下に集めています。これを全量発酵して与えています。人間の食品残渣を使う以上、100%有機の餌とはいえませんが、こぶた畑の餌は、この地域の食を映す鏡です。
  こぶた畑は無農薬・無化学肥料の野菜も作っています。豚舎の中で熟成された堆肥は、必要なときに取り出して畑に使います。畑から出る野菜くず、収穫したあとの枝葉などは、そのまま豚舎へ放り込まれます。美味しそうに草を食む豚を見ていると、草取りの疲れも和らぎます。豚と畑が循環の輪の中につながっていくことが、家畜本来のあり方と考えます。